2009年11月15日日曜日

第3章―ポルターガイストの出現―2―転がるペン

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 この壁の音というものが、単なる「集合住宅の反響音」ではない、「何らかの意思を持つ者による意図的行為」である、とその頃から私は感じるようになりました。

 今年は、去年ほどの凄まじさはすっかり影を潜めていますが、時折、明け方4時から6時の時間帯になると、家のどこかで「ゴンゴンゴン!ゴンゴン!」という大きな音がします。

 その音は、上階の人が床を、重い金属の金槌のような物で叩いているか、と思われるような激しい音です。

 そしてその音は、天井から響いたり、我が家のベランダから、または誰もいないリビングの床、時には息子が一人で寝ている個室の床から聞こえてくるのです。

 その震動は、叩き方の激しさを証明するかのように、寝ている私や母の背中にまで伝わり、枕もとに置いている小物が触れ合って、カチャカチャと音を立てます。

 必ず決まって、4時から6時の時間帯の間なので、私はだんだん恐ろしくなってきました。

 息子は「上の階の人じゃない?」と言いますが、どうして明け方のそんなに早い時間帯に、工事をする必要があるでしょうか。

 母もその音で目が覚めてしまいますが、「去年ほどのことは起きていないから、きっと大丈夫」とまた寝てしまいます。

 けれども、去年ほどのことが起きず、鎮まり返っているからこそ、その異様な音が私には恐ろしく感じられるのです。そうした現象に対して、去年よりも怯えるようになってしまいました。

 今のこの状況を考えると、昨年はよく、我慢して暮らせたものだと思います。何しろ、5月16日以降の異変が、日を追うごとに、その種類と数と激しさをどんどん増していったのですから。

 私は先日、「5月20日の記録を紛失した」と書きましたが、よく探してみると、見つかりました。それは、大学で教えていた頃の教材のプリントの行間に、小さな字で急いでメモを取っていたため、分かり辛く、それで見失っていたのでしょう。

 20日の記録は、次のようなものでした。

 「PM 11:30 消灯確認 AM 0:05頃 母トイレ→AM 0:10頃 またひとりでに玄関灯りつく」

  この後、父の発案で、「ブレーカーの一番左を下げておけば」となりました。そうすると、玄関の灯りと、洗面所やトイレの灯りは、普通なら「ひとりでに灯りがつく」ことは起きないからです。

 この晩は、ブレーカーのおかげで、「また玄関の灯りがつく」ということは起きませんでした。

 しかし、次はやはりモデムのコードです。

 これは、午前0時20分、子供が通常の状態でコンセントに差し込んだままにしておきました。

 ところが午前6時頃、再び「独りでに」抜かれてあったのです。「独りでに」というより、「誰かが故意に」というべきでしょう。

 このことに加え、今度は「人の気配」です。

 午前2時頃、私は毎晩のように起こる異変に、夜中のトイレが怖く、台所の灯りをつけて、そしてトイレのドアも少し開けて入っていました。

 その時、「子供のような足音、人の足音を真似しているような音」が、サッサッと玄関辺りの廊下を歩く音を聞いたのです。

 この音は、息子も聞いていました。彼は、子供部屋のふすまを、暑いからと40㎝ほど開けていたから、聞こえたと言いました。

 「AM 6:24 ブレーカーを元に戻す」

 20日の晩は、こうした記録でした。

 父が来てくれたおかげなのか、この頃には、毎晩のように「玄関の灯りがつく」「モデムのコードが引き抜かれる・差し込まれる」という怪異が「日常茶飯事」のように、必ずといっていいほど起きていたのに、私は段々、16日から19日までのような衝撃を受けなくなっていました。

 明らかに「現象」は必ず、頻繁に起きる―ということは、徐々に始まったものが、エスカレートしている、ということでした。

 夜中のトイレは怖いが、現象そのものには、いちいちビクビクしなくなった。すなわち、「現象が怖い」という感覚が麻痺してきていたのかもしれません。

 それよりも、「起きた現象に、どう対処するか」を父と考え実行し、その内容を記録する方に注意が傾けられていたのです。

 ですが、22日の夜中に、またこれまでに予測もつかなかった異様なことが起きました。

 それは、2008年5月22日の午前0:50頃のことでした。

 その頃には、玄関が気味が悪いので、私と母と息子は、歯磨きのセットを台所に置いていました。

 息子が0:30に、口を洗おうとして、コップが洗面所にあったことに気づき、そちらに向かいました。ところが、彼は、すぐに、「わっ!」と言って、リビングに駆け込んで来ました。

 「どうしたの?」

 「今、お母さんの勉強部屋(=玄関脇の書斎)で、誰かが歩き回る足音とね、机の上を、何かを探す時のように、書類をガサガサ触っている音がしたんだよ!」

  もちろん、書斎には誰もいず、電気もつけていません。

 私は、また何らかの「気配」だと思いましたが、「確かに正体不明の『誰か』が、この家にいる」ことに、これまでにない異様さを覚えました。

 その10分後、午前0:40頃、ユタカが安定剤を半分に割って飲みたい、というので、私と台所の流しに行きました。

 安定剤を飲む前は、モデムのコードは差し込んであり、モデムはきちんと光っていました。 

 息子は、私の隣に立ち、薬を受け取ると、コップの水で飲みました。 

 そして再び、モデムを見ると、ほんの1,2分の間というのに、もうコードが外されており、モデムは点灯していませんでした。

 「感覚的に麻痺してきた」とは感じていたものの、やはりこうした異変を目の前にすると、やはり恐怖感が蜘蛛のように背筋を這ってくるのです。

 そして、午前0:50、子供部屋で寝ている母を起こして、二人で今起きた異変を話している時、父が眠り、静まり返ったリビングで、何かが「カーン!」「カツン!」と落ちて転がる音がしました。

 「ねえ、今、リビングで何か落ちた音、したよね?」

 「僕、行って見て来ようか」

 そう言う息子の後に続いて、私もリビングに向かいました。息子は、私を見て、床を指差しました。

 流しの薄明りでも、はっきりと見えました。

 テーブルの上に置いていた、私のメモ用サインペンが、そこから1・5mは離れたパソコン用デスクの下に転がり落ちていました。

 もうひとつは、テーブルの隅、壁際に置いてあった、父のチューブ薬が、そこから3mは離れた米櫃の前に転がっていたのです。

 まるで「誰か」が「わざと」放り投げたかのように―

 このことは、まるで昨日のことのようにはっきりと覚えています。物事に几帳面な父がするわけもなく、しかも父は熟睡中でした。

 なぜ誰もいないリビングで、ペンが「放り投げられる」のか。

 全く理解不能でした。しかし、このことは、「玄関の灯り」などと同じように、「エスカレートしていく」のではないか―

 そのような直感めいた、不穏な予感がしたのも、今でもはっきりと思い出すのです。 (To be continued......)

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