2010年5月5日水曜日

第4章―現象の乱舞―2―飛び交う小物:part2―動く扇風機

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 私は、「ポルターガイスト」という言葉を、いつ知ったのか覚えていません。そして、その言葉は長い間、忘れていたのです。ところが、自分自身の日常に、異様な事変が起こると、その言葉が突然脳裏に蘇ったのです。

 「ポルターガイスト」を手元の電子辞書で調べると、こう説明されています。

 ―「ポルターガイスト」【Poltergeist (ドイツ): (「騒がしい霊」の意)心霊現象の一。物理的な原因なしに家具が動いたり音を立てたりする現象。(『広辞苑 第五版:岩波書店』より)

 さらに、関連語句として「心霊現象」が挙げられています。

 ―【心霊現象】今日の科学では説明できないとされる超自然的な一種の精神現象。テレパシー、千里眼や未来の予言・予知などに関する現象、死者の霊魂と生者の精神との交霊、念写・念動などの現象の総称。超心理学で扱われる。

 2008年5月31日の昼間、こうした説明を読んだ時、「物理的な原因なしに家具が動いたり音を立てたりする」という部分は、今我が家で起きている現象と一致する、と感じました。

 しかし、こうした現象が「心霊現象」であるとか、「死者の霊魂と生者の精神との交霊」を含むものだといった概念は、私の印象に全くそぐわないものでした。

 「ポルターガイスト」が「騒がしい霊」というドイツ語である、と知っても、灯りが勝手についたり、物が飛んだりする現象の背後に「死者の霊魂」が関わっている、という実感が全く無かったのです。

 昔、何らかのきっかけで、「ポルターガイスト」という語を知った際も、「外国の幽霊って、騒がしいのが好きなんだ。お茶目でいいじゃない。日本の幽霊はジメジメしているから、それよりずっとマシ」という感想を抱いた覚えがありました。

 「ポルターガイスト」なんて、欧米でしか起きないんだから、日本には関係ない。陽気なユーレイか、意思をはっきりさせる欧米人の気質にピッタリだな―などと、まるでディズニー映画のような印象しかなかったのです。

 しかし、現在私達家族の目の前で起きている出来事は、「物理的に不可能な状況下で、超自然的な現象が起こる」といった点において、まさしく「ポルターガイスト」であり、私はこの言葉に初めて恐怖の念を強く抱きました。

 前回記したように、「5月31日から現象のパターンが一変した」というのは、「灯りが勝手につく・ブレーカーが独りでに落ちる・モデムのコードが引き抜かれる」といった事柄が影を潜め、「小物が激しい勢いであらぬ方向から飛んでくる」という現象が引っ切り無しに起こるようになった、ということなのです。

 31日の夜中、息子の鼻炎薬が飛び、私の足にぶつかった後、明け方までしばらく眠れませんでしたが、午前5時頃には、扇風機のタイマーを2時間ほどにセットして、やっと横になりました。

 目が覚めたのは、午前11時、息子が起きたのはそれから30分後でしたが、彼は「まだだるい...」と言って、壁側を向いて寝転んでいました。

 私の枕の右側の床に置いてある扇風機は、弱のスイッチのまま、もうタイマーも切れて、動いていませんでした。

 タイマーが切れたため、そのつまみは「切」の箇所で止まっていました。

 もう起きようと、布団から起き上がり、布団の左側のふすまを開けようとした時です。風が背に送られてくるのを私は感じました。

 振り返ると、たった今まで静止していた扇風機が、首振り回転をしながら、動いていたのです。

 「弱」のスイッチはそのままでしたが、独りでに動き出した扇風機をよく見ると、タイマーのつまみが、「切」から「連続」へとひねられていました。まるで、私が目を離した隙に、また「誰か」がタイマーのつまみを操作したように―

 「物が飛ぶ、の次は扇風機、か......」

 嫌な気持ちで、扇風機のスイッチをオフにし、動きを止めました。

 もう12時近くになっていました。私はリビングで遅い朝食を準備し始めました。食卓について、ふすまの左側を開けたまま、食事をしながら、まだ寝ている息子を眺めていました。そこからは、扇風機は見えませんでした。

 「学校も行けなくなっちゃったし、夜は変なことばかりだし、なかなか起きれないんだよね」

 私は母とこう語り合っていました。すると、また急に、寝室で、「カチッ」という音が響きました。食卓にいても、それが、扇風機の音だと分かりました。午後の12:35 でした。

 「まさか」と思いながら、寝室に入り、右側を見ると、案の定、さっきオフにしたはずの扇風機が、オンのスイッチが押されて、動いていたのです。

 変な現象に「半ば慣れた」ような意識を持っていても、やはりなぜこうなるのかが分からないため、平気ではいられません。蒸し暑い時期なのに、私はぞっと寒気がし、気色悪くなって、スイッチを再びオフにし、今度はコードまで抜いてしまいました。

 「これで、扇風機は、もう勝手に動かない」―

 そう思ったのです。もう扇風機が独りでに動いてほしくなかったのです。

 私は、今起きた状況を、食卓に戻り、母に話していました。ところが、その5分後、PM 12:40 のことでした。まだ息子が寝ている部屋で、いきなり「コトコトッ」と、何か固いものが動く音がし、同時に、ユタカが「あれっ?」と声を上げました。

 その「コトコトッ」という音は、食卓にいても、やはり扇風機のものだと判断できました。

 私は、寝室にいき、「どうしたの?」と息子に尋ねました。

 「今、僕、ぼんやり扇風機の方を見ていたら、扇風機が急にギギギギッと角度、45度変えたから、びっくりした」

 驚いて私が扇風機を振り返ると、確かに、それは完全に向きが45度ほど変わっていたのです。(To be Continued......)
 

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