2009年10月12日月曜日

第2章:悪夢の始まり―1―玄関の灯り

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 今、昨年の5月の中旬から起きた不思議な事柄の数々を思い出すと、まるで昨日のことのように思われます。しかし、それらはあまりにも不可思議過ぎて、尚且つ「不思議さ」が「怪奇さ」へと、あっという間にエスカレートしていったのです。 

 それを考えると、まるで遠い昔のことのようです。しかし、それらの事件は「現実」の中で起きたことでしか有り得なかったのです。

 昨年、2008年5月15日までは、私は、息子の体調不良、昼夜逆転に悩みながらも、趣味の小説を書いたり、ピアノを弾いたり、ごく通常の生活を送っていました。

 息子は、45キロあった体重が極端に減り、35キロほどになっていました。腕や足を見ると、間接の骨だけが大きく飛び出し、それ以外は骨に皮膚が張り付いただけのような、まるで棒切れのような状態になっていました。

 食欲減少にもよるにせよ、やつれ方が激しく、いつか見たエチオピアの飢餓難民を思わせる痩せ衰えた姿でした。 それでも、私は、子供の趣味のパソコン動画やアニメ、DVD を一緒に観て、笑ったり、感想を話し合ったりしていました。確か、『今を生きる』というDVD を一緒に観たのも、5月初旬だったと思います。

 そうしたごく普通の日常が、5月16日の夜中から一変し、私たち家族は、現実に考えたこともない「超常現象」の暗闇へと放り込まれたのです。 5月16日の夜中、午前2時半頃でした。

 息子は、私と同じ部屋に寝ていましたが、昼夜逆転の生活が治らず、なかなか眠れないので、起きて DS をするのが習慣になっていました。そのうち、息子は「おなかがすいた。何かない?」と言い出したので、私は、プリンがあったことを思い出しました。

 寝室の隣がリビング、台所です。私は、リビングの灯りをつけて、息子はテーブルに座り、そしてプリンを食べ始めました。

 私は、その間、トイレに行きました。

 トイレに入っている時、トイレの前の短い廊下、つまり、玄関からリビングに通じる扉までの廊下を、誰かが裸足で行ったり来たりする足音が聞こえました。

 その後、洗面所へとその足音は近付き、そしてトイレの前で立ち止まり、こちらの様子を窺っているような気配がしました。

 「あの子かしら。でも、私に用事があるなら、声をドアの外からかけるだろうし、プリンを食べている最中に、廊下を何回も往復するはずがないのに―」

 息子の日常の動作、習慣を知る私は、変だなと感じました。やがて、その足音は、リビングの方へと消えていきました。

 トイレを出て、息子を見ると、黙って、テーブルの壁際のいつもの椅子に座って、プリンを食べている最中でした。

 「ねえ、さっき、お母さんがトイレ入っている時、ユタカ、おトイレの前に来たの?」

 「え?なんで?僕、ずっとここでプリン食べてたよ。トイレの方なんて行ってないよ」

 息子は、変なの、という顔をしました。

 「あのね、さっき、誰かが廊下を往復するような足音を聞いたから」

 「そんなこと、あるわけないじゃない。気のせいじゃないの?」

 私は、さっきの足音をよく思い出してみました。ほんの2,3分程の間の出来事です。その足音は、裸足で、軽々としたもので、明らかに、息子のものとは違っていました。

 息子は、極端に痩せたために、歩くにも、足の裏の骨が床に当たって痛いので、スリッパを履き、だるそうにペタン、ペタンと歩くのです。

 その足音や気配のことは、「本当に気のせいだったのかな」と思った程度でした。

 しかし、その後、約2時間後のことでした。午前4時半、まだ私と息子は眠れずにいました。

 私たちの寝ている子供部屋は、ふすまの上に、磨りガラスがはめ込まれています。眠れないまま、ふと私はそのガラスを見上げました。

 すると、リビングの方から灯りがついているのか、磨りガラスが明るく光っていました。

 2時間前に、台所で息子にプリンを食べさせた後は、リビングのスイッチは消したのです。

 おかしいな、と思い、ふすまを開けた時、私は驚いて「あっ!」と声を立てました。

 就寝前に確かに消したはずの、玄関の灯りが、明々と灯っていたのです。(To be continued......)

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