2009年10月12日月曜日

第2章:悪夢の始まり―2―スイッチの方向: part1

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 普段、昼間はそうでもありませんが、夜になると、私は、就寝前の遅くとも午前1時頃には、玄関は鍵を閉め施錠し、玄関ドアの左横の灯りは、必ずスイッチを左に押して消す習慣が定着しています。

 また玄関から入って左(洗面所と差向い)の私の書斎の窓の鍵、台所のガスの元栓、最後にリビングとふすまで仕切られている2部屋のベランダの鍵は、必ず、かけているかどうかを、毎晩チェックするのです。

 なぜ、こんなに用心深いのかというと、子供の頃、近所の八百屋さんが火事に遭い、死傷者はでませんでしたが、いつも行き慣れていたお店が真黒に焼け落ちたせいなのかもしれません。

 あの時、まだ私は5歳ほどでした。でも、店頭に並んでいたキャベツや人参、玉葱などの野菜までが真っ黒焦げになって、その前で、八百屋を経営していたおばさんが、泣き崩れていた様子が、よほどショックだったのでしょう。

 すぐ向かいの、5階建ての小さな団地の踊り場から、姉と、同い年の香(カオリ)ちゃんや、そのお兄ちゃんの健君と一緒に、「かわいそうだね、こわいね」と見ていた記憶があります。

 それ以来、私は自分の家が火事になることを非常に恐れるようになりました。まだ5,6歳なのに、「石油ストーブの火は、消えているかな」と寝る前に確認するようになりました。

 あまり毎晩、きっちり確認しすぎて、かえって、その場を離れられなくなったことがあります。

 そんな時、父から「いつまでストーブを見てるんだ!消えたものは消えたんだ!さっさと寝ろ!」と怒鳴られたこともあります。 そうした「確認癖」は、何らかの事件などをニュースで知った後など、事件の内容に関係なく、なぜか通常より強まることがありました。

 今、私が住むこの3LDK のマンションは、築27年です。去年は築26年目に当たりました。周囲は、標高320mの山々に囲まれている、非常な山奥なのです。しかし、南方を望むと、数多くのマンションや団地が連なっている街です。

 オートロックでもない、中古の山奥のマンションであるため、よく駐車場の車上荒らしが絶えません。そのため、世帯主である私が、「しっかり玄関の鍵や施錠は、確かめないと」という気持ちになるのですが、幼い頃の「確認癖」も手伝っているのかも知れません。

 そういう習慣が身についている私にとって、「就寝前に消した灯りが、独りでについている」ことは、まさに驚異でした。

 翌日、5月17日の晩、やはり午前2時半頃でした。その日から、私は理由は思い出せませんが、子供部屋の隣の部屋に一人で休んでいました。息子は、私の母と一緒に寝ていました。

 私が、トイレに行きたくなり、ふすまを開けると、やはり、玄関の灯りが「ほら、ごらん」と言わんばかりに明るくついているのです。

 就寝前は、左に押して消したスイッチも、右側が押されてありました。つまり、灯りがつく方向にわざわざ変わっていたのです。

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