2009年10月14日水曜日

第2章:悪夢の始まり―3―モデムのコンセント: part4

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 この騒ぎで寝ていた母が起きてきました。息子は、「しんどい」と言って、子供部屋に横になりました。

 私は、全く一睡もしていませんでしたが、頭は不思議なほど、冴え冴えとしていました。あまりに奇異な出来事のためだったのでしょうか。

 母に、この晩の3時半から4時に至るまでの出来事を、一部始終、台所のテーブルに座り込んで話しました。

 母は、5月19日から1泊で、実家に独り暮らしの父の所に用事で出かける予定でしたが、私は心細くてたまりませんでした。

 「ねえ、日帰りで帰って来て」

 「それなら、ここ4日間のことを、メモに書いてちょうだい。それをお父さんに見せるから」

 母がそう言うので、私は、午前4時半頃から、台所のテーブルで、灯りをつけて、メモを急いで書き始めました。

 モデムのコードは、メモを書く前に、気色悪いので、コンセントから抜いておきました。

 普段、大きな字を書く私の字が、恐怖のためか、変に歪み、異常に小さく縮こまっていました。母は、このメモは読みにくいから、別の紙に清書すると言いました。

 もう小鳥のさえずる声が聞こえてきます。時計を見ると、午前5時半になっていました。私は、母の書いたメモを、一緒に読みました。

 「何て言うかな、お父さん、このメモ読んで」

 「そりゃ真理子やユタカのことを心配するでしょうけどね。誰かが侵入しているんじゃないかって......」

 「私は、誰かが外から侵入しているって感じはないんだけれど......だって、誰も入り込んだ形跡ないでしょう」

 「そうねえ。でも......変ねえ」

 もう午前5時40分でした。ひとしきり、母とこんな話をし、私は、ふとモデムを振り返りました。その途端、ギクッとしました。

 「キャーッ!」

 モデムが、再びチカチカと光っていたのです。

 ほんの1時間前、気色悪いからと、抜いたモデムのコードは、再び、コンセントに差し込まれていたのです。

 灯りをつけて、私と母だけで、台所にずっといたというのに、背後で「誰か」が「故意にモデムのコードを手に取り、コンセントに差し込む」という、いとも不気味な行為を行っていたのです。(To be continued......)

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